WORKS STORY

施工物語

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「ブロンズ調キャラクター」 志摩スペイン村 様

2021.06.22

志摩スペイン村の関係業者様からホームページよりお問合せいただきました。
納期的にも技術的にも難易度の高いお話でしたがなんとかお応えしようと思い
造形職人の先輩にも多大なご協力をいただき実現に至りました。

何より厳しかったのは、3次元の図面や模型は無く1枚のイラストから3次元化することです。
3Dプリンターが使えればよいのですが、CADデータも制作する必要があることや、
長期屋外耐久の素材は一般的ではないため、結果的にFRP素材を特殊な方法で使用しハンドメイドで
地道に成型していくという方法を選択いたしました。参考になる2m程の大きなキャラクター造形を
お借りしたもののイラストとポーズが異なることもあり、最終的には製作しながら設計していました。
支柱の部分もFRPですがメス型を持っている同業者さんに製作協力いただき、エイジング塗装にて弊社で仕上げています。キャラクター、支柱共に内部には鉄骨が入っております。

お問合せから納品まではおよそ2ヶ月でした。中間検査では関係者の皆様が関西から弊社にご足労いただき、造形物の進捗確認を行いました。キューピー人形はブロンズ調塗装の見本として製作したものです。 有名な肌色キューピー人形の既製品を購入して、着色したサンプルを屋外で見比べている様子です。 他にも大理石調の仕上げサンプルもご用意いたしました。

仕上げサンプルはスムースに行きましたが、キャラクター成形は予想を超えた時間がかかってしまいました。 イラストから立体化していくこと自体、容易では無い上に、粘土のように簡単に取り扱える素材ではないため少しの成形で恐ろしく時間がかかります。樹脂は30分程度で化学反応により硬化してしまうので極めて少しずつ粘土状にしたもので肉付けをしていきます。削る際にはガラス入りのため非常に硬く、ベビーサンダーやハンドルーターなどを使用し粉まみれになりながら0.5mmずつ削るという事を繰り返しました。サイズが2倍くらいあれば、または2分の1であれば、それぞれまた違った方法でもう少し容易に製作できるのですが、どちらの方法も不可能である大きさでこのような地道な方法を選択するしかありませんでした。

弊社でデザインしているわけではないため、且つキャラクターということで既存のイメージが少しもずれてはならないわけですが、1mmでも形を変えると違う表情になってしまいます。そして3次元的に影響するので非常に苦労しました。納期も迫る頃になると携帯で写真を送り、確認やご要望をいただきながらすぐ修正するなどして ぎりぎりまで本体成形を行い、ブロンズ調塗装は残り2日程で仕上げました。ペーパーで下地処理した後、まずはゴールドの吹きつけ塗装を施します。その後、回転盤に乗せて回しながらハンドペイントで茶色や青銅色を刺しています。仕上げには半つやのクリア吹付けでコーティングしています。2ヶ月近く向き合っていると思い入れが沸いてきてお別れするのが寂しい気持ちにさえなりました^^  現地施工は他社様でしたので弊社にて無事にお引渡しすることができました。

お施主様、代理店様、その他業者様が何社も関係するという慣れないお打合せや進行方法にはじまり、製作方法など反省点や課題の学びが非常に多いプロジェクトになりましたが、 志摩スペイン村のご担当者様からは「非常に高い満足度」とのお言葉を賜ることができました。 クオリティを信頼いただいてのご依頼であるため、お役に立てたことに加えて、多くを学ばせていただきました事、大変ありがたく貴重な経験となりました。この経験を生かして、お客様の魅力を形にすべく、今後も新たな技術にチャレンジして参りたいと思います。

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